1940年5月28日、新宿区生まれ。2020年10月7日、80歳で死去。
約50年間の作曲家人生で発表された楽曲数は約2,700曲。そのうち、ヒットチャートのトップ10にランクインした楽曲は約200曲。歌謡曲、アイドル・ソング、J-POPから、「サザエさん」の主題歌に代表されるアニメソングまで幅広く手がけている。多数のアーティストに支持されカヴァーされる機会も多く、ライブ音源だけだったり、企画盤にのみ収録されていたりと多岐にわたっている。
2007年7月11日にリリースされた『筒美京平トリビュート the popular music』は、日本で初の作曲家のトリビュート・アルバムだった。筒美を敬愛する12組のアーティストがそれぞれのカラーで名曲をカヴァーしている。また、2021年にはいくつものコンピレーション盤やトリビュート盤がリリースされている。
当PLAYLISTは、【筒美京平のポップス】と対でCover Versionをご紹介しています。
また逢う日まで/BO GUMBOS
作詞:阿久悠/作曲:筒美京平
1994年7月25日にリリースされたBO GUMBOSのライヴ・アルバム『THE JUNGLE BEAT GOES ON』に収録。このアルバムは、カヴァー・ツアー“JUNGLE BEAT”の94年6月13日心斎橋Coke Step Hall公演の模様を収録している。
Vo.Gt.どんとが小学生の頃に初めて買ったシングルが尾崎紀世彦のこの曲で、キーヨのファンであることを公言し、ステージではアンコールで歌いカラオケでも歌うほど敬愛してやまない楽曲だった。
木綿のハンカチーフ/キンモクセイ
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:キンモクセイ
2007年3月21日にリリースされたキンモクセイのカヴァーアルバム『さくら』に収録。いわゆる“さくらソング”の名曲を集めて制作されたアルバムのBONUS TRACK。Vo.伊藤俊吾のファルセットも素晴らしいが、このTRACKには本人・太田裕美がセリフとコーラスで参加していて圧巻の仕上がりになっている。
この曲の歌詞はボブ・ディランの「Boots Of Spanish Leather/スペイン革のブーツ」がモチーフでオリジナルがリリースされた当時は物議を醸したが、45年以上経て今日まで多数のアーティストにカヴァーされ続けJ-POP史に残るスタンダードとなっている。
東京ららばい/青山テルマ
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:3rd Productions
大鶴義丹監督、真木蔵人主演の映画「キリン」(2012年3月3日公開)のエンディング・テーマに起用された。2月29日には映画公開に先立ち配信リリースされ、5月16日には「君に会えるから… feat. SPICY CHOCOLATE, RYO the SKYWALKER」とカップリングでCDリリースされた。
大鶴義丹監督の意向でカヴァーが実現したそうだが、34年の時間を越え新たなアレンジはCOOLでURBANな仕上がりになっている。
飛んでイスタンブール/米米CLUB
作詞:ちあき哲也/作曲:筒美京平
1991年に開催された米米CLUB のライブ・ツアー「a K2C ENTERTAINMENT AU SHARISHARISM」のセットリストには「飛んでイスタンブール」のカヴァーが入っていた。このツアーの91年11月23~24日横浜アリーナ公演を収録したライブ・ビデオ『komecetera 米米CLUB大全集 Vol.15 完結篇 英雄伝説−AU SHARISHARISM』は92年3月にリリース。2008年8月8日リリースの1991年から1997年の解散コンサートまで米米CLUBのエンターテインメントショーの模様を凝縮した『a K2C ENTERTAINMENT DVD BOX 米盛Ⅱ』にも収録されている。
実はこの「飛んでイスタンブール」は当初は野口五郎の為に書かれた曲だったが、筒美京平は「女性ヴォーカルの方が合ってる」と判断。後に庄野真代が歌ってヒットしたのだが、エンターテイナー・石井竜也(カールスモーキー石井)が歌うこのカヴァーもまた傑作。
たそがれマイ・ラブ/小野リサ
作詞:阿久悠/作曲:筒美京平/編曲:Bill Cantos
2014年9月24日リリース、小野リサがJ-POPの名曲をボサノヴァ・テイストでカヴァーする“Japão”シリーズ第3弾アルバム『Japão 3』から。この曲は、Jay Graydonに才能を認められAOR界でその名を知られるシンガー・ソングライター、ピアニストのBill Cantosのアレンジにより、ロサンゼルスでレコーディングされている。ちなみに、Bill Cantosは1995年にアルバム『Who Are You』を発表し「Beautiful One」が日本でもヒットを記録しているAOR界の重要人物だ。
セクシャルバイオレットNo.1/ISEKI
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:SHUNSUKE SUZUKI
2015年7月にキマグレン10年間の活動を終えソロ活動をスタートさせたISEKI。17年には“J-POPの中のAOR風味の名曲カバーシリーズ AOR FLAVA”を3タイトル連続でリリースした。「セクシャルバイオレットNo.1」のカヴァーは、17年10月25日に発表された第3弾『AOR FLAVA -silky red-』に収録されている。このミニ・アルバムは、「ルビーの指環」「東京ららばい」「月の裏で会いましょう」「SEPTEMBER」など70~80年代のJ-POP名曲のカヴァー7曲と書下ろし1曲で構成されている。
夏のクラクション/ゴスペラーズ
作詞:売野雅勇/作曲:筒美京平/編曲:井上鑑
2007年7月11日にリリースされた初のトリビュート・アルバム『筒美京平トリビュート the popular music』に収録。この作品では筒美を敬愛する12アーティストが参加しているが、オリジナル音源を集めた形でなく代表曲をカヴァーして作曲家のトリビュート盤が制作されるのは初めてだった。
ゴスペラーズとしては、07年11月28日にリリースしたカヴァー曲、コラボレーション曲から選りすぐった初のコンセプト・アルバム『The Gospellers Works』にも収録、08年夏の全国ツアー“ゴスペラーズ坂ツアー2008 ハモリ倶楽部”でも披露している。
Romanticが止まらない/氣志團
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:氣志團
デビュー20周年を迎えた氣志團の約4年ぶりとなるアルバムは筒美京平トリビュート作品『Oneway Generation』。幼少期から筒美楽曲に魅了され続けてきた團長・綾小路翔が「己の半生を懸けた、“実録・愛と青春の旅立ち”がテーマ」と語る今作は、企画・選曲・編曲・演奏・歌唱すべてを氣志團メンバーのみで取り組んだ意欲作。2021年4月28日にリリースされた。
全12曲収録の1stトラックを飾るのはC-C-Bのカヴァー。綾小路翔のポップなヴォーカルに加え、シンセに代わって西園寺瞳がトーキング・モジュレーターを使用することで、氣志團のオリジナリティを出しつつ原曲の雰囲気を醸し出すことに成功している。
Oneway Generation/Thinking Dogs
作詞:秋元康/作曲:筒美京平/編曲:重永亮介
2014年6月に前身となるバンドを結成し、同年の「イナズマロックフェス」のオーディションに参加し準グランプリを獲得。メンバーチェンジを経て現在の4 人組バンドとなったThinking Dogs。15 年6 月にシングル「世界は終わらない」でデビュー。デビュー曲から4作連続して作詞は秋元康だったが、17年10月25日にリリースされた5thシングルは作詞:秋元康/作曲:筒美京平の80年代のヒット曲「Oneway Generation」を大胆にバンドアレンジしたカヴァーだった。この曲は17年10月28日に公開された映画『リンキング・ラブ』の主題歌に起用された。
人魚/JUJU
作詞:NOKKO/作曲:筒美京平/編曲:冨田恵一
2014年12月3日にリリースされたJUJUデビュー10周年記念、カヴァーアルバムの第2弾『Request II』から。このアルバムでは、1989年~2005年に発表された女性アーティストの名曲12曲をカヴァーしている。楽曲毎に異なったプロデューサーが立っており、武部聡志、亀田誠治、本間昭光、小林武史、冨田恵一、大沢伸一、蔦谷好位置といった錚々たる面々が参加している。10年の前作『Request』はダブル・プラチナディスクに輝く大ヒットとなったが、この『Request II』でもゴールドディスクを獲得している。
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